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妄想リリィ おまけ
◇ ◇ ◇
『拝啓 見知らぬ神様へ』
最初の挨拶からなんと書けば良いのか分かりませんが、お疲れ様です。
どんな形であろうと、俺の命と生活をこの世に繋ぎ止めてくださり、ありがとうございます。
少々不満はありますが、感謝しています。
鮫島さんという俺様人間に巡り合わされたことを怒っているのではありません。
ただ、もっとマシな人間は居なかったのでしょうか、と嘆いているのです。
あの人は無口で、何を考えているのかも分からない。
「お兄ちゃん、昨日の夜、部屋に戻って来なかったけど、どうしたの?あと、その指輪は何?」と実の妹に問われた時は、非常にドキリとしました。なんとか理由を繕っておきました。
神様、教えてください。
俺は、あの人が、……き、なのでしょうか?
敬具
西海史スエキ
追伸
食パンを買った後に、「鮫島さんは本当に俺を見つけられるのか」と試してみようと思い、公園のドーム型の遊具の中に暫く居たのですが、鮫島さんは本当に……迎えに来なかったので、もう馬鹿な真似は止そうと思いました。
それと、鮫島さんにまた仕事のことを言えませんでした。俺の社会復帰は、まだまだ先になりそうです。
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