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それでも諦めない
大きな手が俺の頭を優しく撫でる。
分かってる。教師と生徒がタブーなんてこと初めからわかっているんだ。まして同性…。青葉先生の為にも潔く諦めなければいけないと分かってる。だけど、それでも俺は諦められない。だってそう言う話をしてくれたって事は、青葉先生も俺のこと好きって認めてるってことだろ!せっかく両思いとわかったのに諦める事なんてできない。だからこそ…。
「先生、俺は諦めないよ」
「高橋…」
「先生の言いたいこと、馬鹿な俺なりに分かってるつもりだよ。でも諦めたくない!俺は先生の事好きだから…自分の心に嘘はつきたくない。両思いと分かっているのに諦めたくないんだ!だから俺にチャンスをください!!」
「チャンス…?」
「卒業してもお互いまだ好きだとわかったら…まずは友達からお願いします!それで俺を気に入ってくれたら恋人にしてください!」
ガバッと頭を下げた。今までこんなに真剣に頭を下げたことがあっただろうか。いやない。それほど俺は必死だった。
青葉先生は数秒後「まいった…」と呟き、声に出して笑った。
「あははは。まずは友達からか…本当、お前にはかなわねぇ。なぁ、高橋。そのチャンス…俺にもくれるか?」
「はい!」
最高の笑顔で答えると、青葉先生は俺に向かって破顔した。
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