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Side圭
朝起きたときから、微熱があることには気づいていた。それでも入学式だから学校へ行って、
帰ろうとした時にカラオケに誘われて、終わったのは7時。
一刻も早く帰ろうとしたけど、頭が痛くて動けなかったから、路地裏で少し休んでいたら変な男につかまった。
運良く先生に助けて貰えて、そこまでしなくてもいいのにタクシーで送ってくれて。
でもその後の記憶は断片的で、気づいたらベッドで寝ていた。
迷惑、かけちゃったなぁ。
それでも、運ばれている時に感じたあったかさや、たかが熱を心配してくれた事が嬉しかった。
だから先生が帰るって言ったときは少し悲しかった。
誰かに心配されることなんてここ数年なかった気がする。先生はほんとにいい人だなぁ。
だからこそ、そんな人にもう迷惑はかけられない。
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