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あまりにもあっさりしすぎて、拍子抜けしてしまった。
……まぁでも、先生もめんどくさいのは嫌いって言ってるから、もうこれ以上関わろうとはしないだろうな。
ぐしゃぐしゃにされた髪を元に戻しながらそう思いつつも、頭の中では先生の言葉が反芻してしまっていた。
“大丈夫って言ってるのならわざわざ聞かないよー”
……なんだよ、あれ。もし僕が大丈夫じゃないって言ったら何かしてくれるの?何もできないでしょ。はじめから気がつかないフリしておけばいいのにわざわざ手当てまでして。
一人で悶々としている間に気付けば授業開始から30分以上経っていた。ここまで過ぎるともう授業なんかどうでもよくなる。
「……戻るか」
そう一人で呟いて保健室を出た。そうして教室に戻って制服に着替えるとすることもなく暇になってしまった。
この学校屋上禁止だしどうしようかなぁ。なにしろ授業をサボったのが初めてでどう時間を潰せばいいかわからない。
それでも皆が授業を受けている中で一人だけ自由なのは気分がいい。
ふと外を見ると天気がよくて、絶好のお昼寝日和だと思う。昨日ぐっすり眠ったはずなのに窓からの暖かい日射しをうけていたらいつの間にか眠ってしまった。
ガヤガヤと騒がしい音で目が覚めた。
「あー、圭サボって寝てたのかー?」
「んーーだって今日お昼寝日和じゃない?」
体を伸ばしながらそう答える。
「いや、一時間目から寝るなよ。」
「えー、でも十分充電されたから今日はもう寝ないよー」
「当たり前だ!!」
「あっ、いた。体育終わった?」
話していたら悠が気づいてやってきた。
あ、運動着返すの忘れてた。
「悠!ごめん今返しに行こうと思ってた」
「いいよ全然」
「でも結局使わなかったんだけどね 笑」
「え、そうなの?」
「うん、寝てた」
「…そうなんだ。あっ、じゃあ俺次だから行くね」
「うん。貸してくれてありがとう」
一瞬悠が悲しそうに見えた気がしたが、笑いながら手を振る悠を見て気のせいだろうと思った。
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