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第7話

まずは番のいない生徒に首輪が配られた。 そこにいた生徒の1割は番がいるらしい。俺はもちろん、優生君も番はいないみたいで、配られた首輪をサッと着ける。 「例えば無理矢理項を噛まれたとしても、首輪をしていなかったら、それはオメガにも責任がある。それは肌身離さず着けておくこと。」 それから持ち運びのできるコンパクトサイズの緊急抑制剤が2つずつ渡された。先端に小さな針がついていて、体にそれを押し付けると中の薬が勝手に体内に入っていく仕組み。 「使い方はそれぞれ担任の先生に教えて貰ったと思う。自分だけじゃなくて周りに発情し始めたオメガがいたら、すぐにそれを打ってやれ。発情してから薬を飲んだんじゃ効きが遅い。」 抑制剤を握り、何で俺がオメガとして生まれたんだろうと、今までの人生で何度も繰り返したきた疑問をまた頭に浮かべる。 「番がいるなら、それは自分の判断に任せる。番を呼ぶのも良し、抑制剤を打つのも良し。フェロモンは番にしか当たらないからな。ただ······きちんと避妊はするように。もし子供を授かった場合、退学をせざるを得ない。」 こくこくと頷いた番のいる生徒達。 すごいな。俺なんてまだ発情期すら来てないから、そんなの現実味がない。 「以上だ。質問はあるか?」 今のところは誰も質問がないみたいで、その場で解散になった。 「ねえ優生君」 「何?」 教室に戻る途中、気になっていたことを聞く。 「発情期、初めて来たのいつ?」 「えっ······僕は、中学校に入ってすぐかなぁ。」 「そうなんだ。」 「千紘君は?」 「······実は、まだ来たことなくて。」 そう言うと優生君は目を見開いた。それから小さな声で俺の耳元で囁くように話す。 「初めは本当に辛いんだ。少しでも違和感を感じたらすぐに抑制剤を打った方がいいよ。」 「······そうなったら、打ってくれる?」 「ぼ、僕が?······うん、わかった。」 少し怖くなってきた。 その時までは楽しく過ごそう。 「今日はガイダンスだけだから、もう帰れるね。」 「うん!色々あって疲れちゃったよ。」 へらっと笑った優生君。 確かに、朝からどっと疲れた。 教室に戻り、麻倉先生の連絡を聞いてから優生君と一緒に寮に帰った。
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