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第11話

「赤目君は同じ1年生なのに何で東條先輩の事知ってるの?」 千紘君がそう聞くと赤目君はググッと眉を寄せた。 「あいつの家は有名だろ。東條って名前聞いたことないのか?」 「知らないなぁ。」 「······お前は?」 赤目君が急に話しかけてきたから、体がビクッと震えた。 「ぁ、あり、ます······。」 「ならお前はわかるだろ。あいつの家はでけぇ財閥だ。1番聞き馴染みがあるのは銀行か?」 「へぇ、そうなんだ。」 聞いたのは千紘君のくせに、そんなに興味が無いらしい。赤目君は見るからに苛ついていて、その怒りを収めて欲しくて、どうにかしようと持ってきていた飴を差し出した。 「あ、あの、怒らないでください······。」 「別にお前には怒ってないだろ。······これ貰っていいのか?」 「はい。これ、美味しいからよかったら······。」 赤目君は外見に対して意外と甘党なのかもしれない。飴を口に入れてコロコロと舐めて、ほんの少しだけ頬を緩めた。 「生徒会はそういう人達の集まりなの?」 「ああ、生徒会長に副会長、書記もそうだな。ちなみに東條は会計だ。」 「わあ、さすが銀行。」 一生懸命プリントの皺を伸ばす千紘君。折らなきゃ良かったのに。 「じゃあ、そんなすごい財閥の息子達が集まるこの学校ってもう、1つの国だね。」 「だからお前達もここに来たんだろ。」 「どういう意味?」 今度は千紘君が眉間に皺を寄せる。 「生徒会は勿論、そうじゃないアルファだってある程度金を持ってる。ここは金持ちが集まる事でも有名だからな。ここで番を見つけられたら、この先オメガは金に困ることは無い。」 「は?違う!俺は就職する為にだな······」 千紘君が赤目君によって掛かる。でも今回ばかりは赤目君の言う通りだ。 「だから、アルファの家に嫁ぐんだよ。それがこの学校に来たオメガ達の言う就職だ。」 「······は?」 意味を知っているから、今はまともに千紘君を見ることが出来ない。
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