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第13話 千紘side

あー、本当にショック。 そういうことだったんだ。俺は本当······自立したくてここに来たのに。 とぼとぼと歩いていると、また体が熱くなって、かと思えば視界がぐにゃりと歪んだ。廊下に倒れ込んで、え?と思う前に、後孔からトロリと何かが垂れ出てくる。 「ひっ!?」 な、何これ、何だこれ。 とにかく寮に戻ろうと、立ち上がろうとすると、腰が抜けてるのかそれが出来なくて、地面に這いつくばった。 「ぁ、あつ、い······っ」 考えたくもないけれど、もしかして、発情期が始まったのか······?もしそうなら、今のこの状況はまずい。抑制剤はカバンの中だ。震える手でカバンを開けて、抑制剤を探す。 「オメガみーっけ」 それなのに、誰かにカバンを取られてそれが叶わなくなった。麻倉先生に教えて貰ったオメガ専用の部屋にも、今のこの体じゃ向かえない。 逃げたいのに、大声を上げたいのに、誰かに少し触られただけで体が喜んでいうことを聞かない。 熱い。熱くて、ちゃんと声が出ない。 「可哀想に。初めての発情か?こりゃトんでるな。」 仰向けにされて、男の顔は見えたけれど、誰かは知らない。 ブレザーのボタンを解かれ、ワイシャツの上から乳首にツン、と触れられる。途端に腰が震えて下着の中で射精した。 「あはは、美味そうなオメガだ。美人だし、当たりだなぁ。」 「ぁ、あ······た、すけ······っ!」 「抑制剤打ってほしい?······そんな勿体ないこと誰がするかよ。」 この人、アルファだよな? 何でこんなに冷静なんだ。アルファはオメガのフェロモンに当てられると正気じゃなくなるって聞いていたのに。 「名前は······松舞千紘か。」 「ひぁ、ぁ······嫌だっ、ぁ、んぅ······!」 「お前の初めて貰うよ。」 そう言った男の顔が近づいてくる。 涙で視界がぼやけてよく見えない。 「────おい、何してる!」 そんな時、聞いたことのある声が聞こえた。 「それは合意の上か?」 「さあ?でも発情してるんだし一緒だろ。」 「生徒会役員として、これは見過ごせない。今すぐ松舞から離れろ。」 ハッ、ハッと短く荒い呼吸を繰り返す。 男の人達が言い争っていたけど、それはすぐに終わって、目を閉じていると体を誰かに触られた。 「あぁっ、ぁ、いや······っ!」 「抑制剤を打つだけだ。」 涙が零れて、視界が少しクリアになる。 そのまま俺に触っているその人を誰か確認すると、東條先輩だった。 「っ、いっ!」 太股に痛みが走って、それと同時にまた射精した。 そして、そのまま意識を失った。

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