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第14話
目を開けると知らない部屋の知らないベッドの上にいた。
服も下着も変えられている。······えっ、誰に。俺は確か発情して、誰かに襲われそうになって、それから───
「起きたか」
「······東條先輩」
またこの人に助けられた。
「服を着替えさせた。そのままだと寝にくいだろうし、下着も······汚れていたからな。」
「す、すみませんっ!!」
ベッドの上で土下座をする。途端にまた後孔からトロっと液体が溢れてきて、咄嗟に体を丸めた。
「抑制剤で一時的に発情を治めただけだ。またすぐに始まる。今のうちに寮に戻れ。」
「ぁ、ご迷惑を、お掛けしました······っ」
荷物を持って出て行こうとすると、「起きたの?」とドアから誰かが入ってくる。
「うわ、甘いね。お前よくこれでトばずにいれるな······。」
「自信が無いなら入ってくるな。」
入ってきたのはアッシュがかった黒髪の男の人。見た瞬間にわかった。この人はアルファだ。
「自信はあるよ。俺もトんだりしない。······ところでオメガちゃん。君、ちゃんと自衛しないと駄目だよ。今回は東條がいたから何とかなったけどさぁ。」
「······あの、だ、誰ですか。」
カバンを抱きしめながら聞くと、ニンマリ笑ったその人は俺の手をそっと撫でてくる。
「ひっ!」
「高良 悠介 。2年、生徒会書記、よろしくね。」
「高良やめろ。松舞は早く帰れ。」
「は、はい、すみませ······っんんぅ!」
歩こうとしたら、高良先輩に乳首を抓られた。腰が抜けて床に座り込むと、途端に体が熱くなる。
「あーあ、ダメだねこりゃ。この子あんまり抑制剤効かないタイプじゃない?今のでこれだよ?」
「何をしてるんだ!!くそっ······おい、お前も抑制剤を打っておけ。」
「げっ、あれ痛いんだけどなぁ。」
またベッドに降ろされる。
熱くてたまらなくて、服を脱ごうとすると、その手を掴み止められた。
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