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第17話 悠介side
意識を飛ばした千紘ちゃんをみながら、ペニスを抜く。ゴムを外して口を縛りゴミ箱に投げ捨てた。
「······気持ちよかったよ。」
汗と精液とでベタベタになった千紘ちゃんの体。拭いてあげないと可哀想だよなと思って、濡らしたタオルで体を拭いた。
「······抑制剤が効かないとなると、医者に見せるしかないかなぁ。」
緊急抑制剤もすぐに効果を切らしてしまうなら、そうした方がいい。
とりあえず今は錠剤を飲ませよう。千紘ちゃんのカバンの中に入ってあった薬を取り出して、千紘ちゃんの口の中に入れる。水を口に含んでキスをして、無理矢理薬を飲ませた。
「······さてと、運ぶかぁ。」
ここは生徒会役員のみが使える部屋。生徒会室の奥にひっそりとある仮眠室だ。千紘ちゃんに服を着せて荷物を持ち、横抱きにして運ぶ。ドアを開けて部屋を出ると副会長がいて、面倒だなぁと舌打ちを小さく零した。
「東條から話は聞いてる。後でそのオメガに指導しておけ。」
「へいへい。」
生徒会室から出て、オメガの寮に向かう。
寮の前のところに生徒が2人居て「千紘君!」と小さくて可愛い方が駆け寄ってきた。この子はきっとオメガで、隣にいる大きいのはアルファだな。
「千紘君!ぁ······寝てる······。」
「あんた高良悠介だろ。······こいつとヤったのか?」
「えーっと······君達は?」
新入生かな。
可愛いチビちゃんは兎も角、この大きい方には指導が必要らしい。
「赤目 匡。」
名前を聞いてピンと来た。ああ、なるほど。
「君が例の弟君かぁ。」
「ちっ······。何でもいい、そいつとヤったのか?もしそうなら、それは合意だろうな?」
「当たり前でしょ。俺が無理矢理するとか有り得ないって。この子抑制剤が効かない体質みたいでね、他のアルファにヤられそうな所を会計の東條に助けられて、その時に抑制剤を打ったんだけど生徒会室でまた発情したから俺が抱いたって感じ。」
起こった事の説明をすると、チビちゃんは目をうるうるさせて「ごめんね」と謝る。
「ん?何でごめんなの?」
「よ、様子が変って、わかってた······でも、送ろうかって言っても、いいって言ったから······っ」
「なるほどね。本人は初めてって言ってたんだけど、それも知ってた?」
「発情期がまだ来てないってのは帰る時に言われた。」
それを聞いて深く溜息を吐いた。
そこまで知っていて、どうして放置したんだ。
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