27 / 446

第27話

「あ、そういえば、気になってることがあったんだった。」 「何だ。」 赤目君の耳元にそっと口を寄せる。 あんまり大きな声で言っていいことか分からなかったから。 「オメガには発情したオメガの甘い匂いとか、普通はしない筈なんだ。なのに、何でか千紘君からは甘い匂いがして······。」 「ああ、確かに、昨日も言ってたな。」 オメガの寮でも朝に、沢山の人が小さなパニックになってた。何でオメガなのにオメガの発情した匂いがわかるんだって。 「おかしいよね······?初めての発情期だから······?」 「お前は?そんなことあったのか?」 「ううん、ない······と思う。」 「抑制剤が効かなかったりもするし、何かあるのかもな。」 っていうことはもしかして病気とか······?でもそれなら昨日のお医者さんが教えてくれるはず。 「体質なのかな」 「厄介な体質だな。」 そう話をして、ぼーっと外を見る。 千紘君は大丈夫だろうか。高良先輩が千紘君を傷付けないように優しく触れてくれる人ならいいんだけど。 「······痛いの、辛いもんね。」 「あ?何か言ったか?」 「ううん。」 今まで、何度も痛い思いをしたから、僕はセックスする事が怖い。 僕にも早く、優しい番が欲しいなぁ。 チャイムが鳴ってしばらく経って、やっと麻倉先生が入ってきた。 ホームルームの時間は残り5分。 挨拶をして、すぐに出て行った麻倉先生はやっぱり、生徒指導の先生には思えなかった。
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!