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第28話 千紘side

体がだるい。目を覚ますと高良先輩に抱きしめられていた。体がぺたぺたして気持ち悪い。 「高良先輩······起きて。」 「······ん、どうしたの?」 目元を撫でられる。泣きすぎて赤くなっていたのかもしれない。 「体、気持ち悪いから······」 「お風呂ね。起きれそう?」 高良先輩の手を借りて起き上がり、何とか歩いてお風呂場に行った。 「1人で入れる?あ、でも俺もシャワー浴びたい。······よし、一緒に入ろうか!」 「え、まあ······うん。そうですね。」 俺の世話をしてくれた人だし、蔑ろにできるわけがない。一緒にシャワーを浴びて、先輩の背中を流す。 「手付きが優しいから気持ちいいなぁ。」 「······変な感想やめてください」 「変?本当の事言っただけなんだけどな。」 まだ2日目。あと5日はこの人と一緒に過ごす。抑制剤がなかなか効かないから、直接精液を貰うしかない。······嫌なんだけどな。だってなんだか淫魔にでもなったみたいだ。 「千紘ちゃん?どうした?」 「······抑制剤が効かないの、どうにかならないですかね。」 「発情期の度に病院で点滴してもらうか、精液貰うかしかないもんねぇ。······もう早いこと番を作っちゃいな。」 「番は······俺はまだいいかも。」 「どうして?」 高良先輩が俺をじっと見る。それもすごく真剣に。 「先輩は、運命の番って、知ってますか?」 そう言うと高良先輩はキョトンとして、それから思い出したみたいにケラケラと笑いだした。 「何でそんなに笑うんですか。」 「あははっ、あれって都市伝説でしょっ?運命の番なんて、そんなの無い無い。それを見つけるために、まだ番を作らないの?」 「ええ!もちろん。」 まだ笑い続ける先輩の顔にシャワーを勢いよく当ててやる。それから脱衣所に出てタオルで軽く体と髪を拭き、そこに置いてあったバスローブで体を包んだ。
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