40 / 376

第40話

俺が千紘を好き?いやいや、友達としてならまだしも、恋愛の好きを俺はまだ知らない。そもそも1週間やそこらで、初めて会った奴を好きになれるのか? 「好きなの!?」 「好きじゃねえし。」 「何で?仲良さそうに見えるよ。」 「そりゃあ、友達としては好きだからな。そもそもな、出会ってまだ1週間くらいしか経ってないんだぞ?それなのに誰を好きになれるってんだよ。」 そう言うと、あからさまに傷付いた顔をした優生。何でお前がそんな顔すんの。掴まれていた腕から手が離れていって、優生は俯いた。 「ごめん、やっぱり話ない。」 「はぁ?」 「ごめんね、······ほら、千紘君が寂しがるから、教室戻ろう。」 よくわからないけど、優生がそれでいいならいい。 と、いうより薄々感じていた。 今のこの態度から、優生はきっと俺の事が好きなんだろうなって。 でも気付かないふりをした。 俺にとって今の3人でいる関係は楽しいから。それが崩れてしまうのは嫌だ。 「おかえりー!どこ行ってたの?」 笑顔で手を振ってそう言う千紘は、何が嬉しいのかずっとニコニコしている。 「ちょっと廊下に出てた」 「ふーん······?」 「······千紘君ごめん、ちょっも体調悪くて、せっかく学校来たけど先に帰るね。」 「えっ、今日の放課後は······?」 「うん、ちょっとごめん······。」 そう言って優生は帰って行った。教室からいなくなった途端、千紘に腕をガシッと掴まれる。 「優生君に何言ったの!?」 「······何で俺が悪役なんだよ。」 「そうじゃないの?」 「······そう、かもしれねえけど。」 さっきあった事のせいかもしれない。そう思うと否定はできなかった。 「······何話してたの」 「俺が、お前のことが好きなんじゃないかって聞いてきたから、1週間で誰を好きになれるんだって、言った······。それだけ。」 「······アウト」 千紘が机に項垂れて、一言そう言った。
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!