50 / 376

第50話

*** 朝、昼前にゆっくり起きて母さんに電話した。 話したいことがあるからと、結局週末に帰ることにして、早速寮に外出届けを出した。 今日は木曜日。 英語の授業があったけど、嫌いな授業だしちょうどいい。後で優生君か匡に教えてもらおう。 「明日、学校終わったら家に帰って······日曜の夜には帰ってくるのかぁ。憂鬱だな。」 家に帰るのはいいけれど、寮に戻ってくるのは嫌だな。 それでも、ちゃんと帰ってこないと。 母さんに余計な心配をかけちゃいけない。 とにかく今日は運命の番について調べまくろう。今後のことを考えて、それで······。 「はぁ······」 ああ、気が重い。 スマートフォンの画面をタップして運命の番を検索する。”ウソかホントか”なんて言葉が並んでる。運命の番に出会える確率はとても低い。 そりゃあ嘘だと思われたって仕方ないし、俺も半分信じてなかった。 「相手の感情の匂いがわかる······?」 これ、どういうことだろう。 運命の番について質問している人に、回答をしているその人の文章にすごく興味を持った。 「怒ったり、幸せだったり······へえ、匂いが変わるんだ。」 会長のあの匂いは何の匂いだったんだろう。あればあの人の普段の匂いなのだろうか。 「じゃあ、俺の匂いも会長はわかるのかな······。」 だからといって何の得があるのか、全く理解ができない。 「妊娠の確率が高くて······生まれる子供はアルファで······。」 わかってるけど俺って、子供産めるんだよな。自分のお腹に手を当ててみるけど、本当にそんなことが出来るのかわからない。 「いやいや、早すぎる!考えるところはそこじゃない!」 いろんな事が起きすぎて分からなくなってるんだ。 落ち着かなきゃ。 「······あの匂い、もう1回嗅ぎたいな。」 そうしたらこの昂った感情も落ち着いて······って。今、なんて言った? いつの間にか会長の匂いのことを考えてしまっていて、自分の心とは関係なく体が会長を求めていることに大きなショックを受けた。
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!