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第64話
***
高良と話をしたのはもう昨夜の出来事。
今日は昼から俺の好きな食器のブランドの店に足を運び、同じ物を2点ずつ購入した。
ついでに服も買いに、またお気に入りのブランドの店に入り、松舞の服を何点か見繕ってやった。
「あと必要な物は······」
ああ、そうだ。
あれを買ってやろう。
同じ店の一角に置いてあるコーナーに足を運び、肌触りや伸縮性を見て、1番気に入ったものを買う。
「こちらは一点物なので現品しかございませんが宜しいですか?」
「ああ。」
俺の物だという印。
必ず自分の手で着けさせてやる。
会計を済まし寮に戻る。
明日には松舞は帰ってくるだろう。ということは遂に明日から一緒に暮らすことになるのか。
家族以外で誰かと暮らすのは初めてだ。少し緊張するけれど、まあ初めはそういうものだろう。
寮に戻って買ってきた物を片付ける。
最後に買ったそれは、テーブルの上に置く。眺めていると顔がニヤける。それを止められない。
「さて、晩飯を作ろうか。」
広いキッチンに立ち冷蔵庫から食材を取り出す。
料理は好きだ。自分の為とはいえ、より健康的で何が体にいいのかが段々と分かるようになる。
早く松舞にも食べさせてやりたい。そして健康的な体にして、子供が元気で生まれるようにしてやらないと。
「そう言えばパンプキンスープがまだ残っていたな。」
今晩であれを食べてしまいたい。
冷蔵庫で鍋ごと冷やしておいたスープを出して温め直し、その間に野菜を切ってサラダを作る。
「明日は何を作ってやろうか。」
緊張して話せなくても、美味い飯さえあれば、少しくらい笑えるだろう。
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