「偉成は知ってますか？ここに入学したがるオメガが、何で多いのか。」 「家柄がいいアルファがここには沢山いる。それを狙ってきているんだろう。」 「······俺はそれを知らなかった。本当にいい就職先が見つかるんだと思って来た。その事を聞いてすごくショックで、だから未だに偉成と番になることに戸惑いを感じるんです。」 偉成と居るとこんなに心が落ち着く。 きっと街中でばったり出会っていたなら、俺は迷うことなく番になっていたと思う。 「俺はそういうつもりできたんじゃないって、信じてくれますか？」 「信じるよ。そうじゃなきゃとっくにお前は俺の番になってる。」 高良先輩の事もある。少し躊躇いはするけれど、この人が俺の事を分かってくれるなら、それでいいのかもしれない。 「俺は、逃げないです。」 「············」 「発情期が来ても、ここにいます。きっと。」 そう言うと会長は嬉しそうに笑って、俺を抱きしめた。その力が強くて少し苦しいけれど、嫌じゃない。 「千紘、愛してる。」 「······ん、俺も。」 多分、愛情っていうのは勝手に積もり積もっていくものだ。 気がつけば相手を好きになっている。 「キスしてもいいですか······？」 「もちろん」 キスをして、舌を絡ませる。 頭がクラクラして、唇が離れた頃にはペニスが勃起しちゃって、会長の足に当たる。 「っ」 「可愛いな千紘は」 お尻を撫でられて、体がピクっと跳ねる。 俺の反応を楽しむ会長は、自らの舌をぺろりと舐めた。 ああ、この人に抱かれたい。 つい、そう思ってしまった。