千紘が泣きながら俺の服を脱がせていく。 俺の事を離したくないっていうのは本当なんだとは理解していた。 「わかったから······、落ち着け。逃げないから。」 「やだっ、偉成っ！」 「ほら、落ち着いて。」 起き上がって千紘を落ち着かせようと、そっと抱きしめて背中を撫でる。 千紘が俺を拒否しない限り、俺は千紘から離れたりしない。 俺の首に腕を回した千紘は、そのまま離れなくなって、一緒にベッドに寝転がり千紘が寒くないように布団を掛けてやると俺の目をじっと見て眉尻を下げる。 「偉成······」 「何？」 「本当に無理してないんだよ。俺の体も心も、偉成が欲しくて堪らないの。」 「俺も同じだ。千紘が欲しくてたまらない。」 でも泣きながらこんな事をしたって、きっと満たされない。 「お前に優しくしたいから、傷つくようなセックスはしたくないんだ。」 「傷つかないから、もういいから抱いて。」 「良くない。俺はちゃんと愛し合いたい。」 千紘の頬を撫でる。目を細めてそれを受け入れてくれる。そのまま手を下に下ろして、昨日つけたばかりのキスマークを撫でていく。 「愛してる。俺からお前を離したりはしない。」 「······もっと言って」 「愛してるよ。」 千紘の頬を包んでキスをする。 繰り返してそうしている間に、千紘の甘い唾液で熱が上がり出す。 オメガはどこかしこも甘くて、アルファを狂わせていく。 「はぁ、······っ千紘、抱いてもいいか。」 「ぁ······ん、だ、抱いて······。」 途中まで脱げていた服を脱ぎ捨て、千紘に覆いかぶさる。 このまま、千紘を犯して何もわからなくなるくらい俺を感じさせたい。 「っ、」 「あっ、あ！痛っ······んひっ！急に、そんな······っ！」 自分の唾液で濡らした指を後孔に突き立てた。早くここに入りたい。前立腺を強く引っ掻くと、甘い声を漏らしてシーツを掴んで背中を反らす。 「あぁぁっ！ぁ、だめぇ、······っそれ、気持ち、良すぎて、だめ······っ！」 千紘の体が細かく震える。開かせた足の爪先がピンと伸びて、途端中が収縮し、少しすると力が抜けた。 「ひっ、ひぃ······っ、ぁ、や、今、やだぁっ！」 「イったのか？」 「んっ、ぐ······ぁ、あぅぅ······！」 射精はしていない。ドライオーガズムって奴か。 そういえば前もしていたっけ。指をぐるっと内壁を広げるように1周させて、挿入する指の本数を増やした。