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第111話
国語の授業を終えて、2限目は体育だった。
体操服に着替えてグラウンドに出る。
「匡、おはよう!」
「······ああ、おはよう。」
「え、クマすごいよ······?眠れてないの?朝もギリギリで来てたし、何かあった?」
そう聞くと目を閉じて大きく頷く。
「高良先輩にシャンプー借りに行ったら愚痴を散々聞かされて風呂に入るのは遅くなるし、そのせいで課題をする時間も遅くなって、なかなか寝れなかったんだよ。」
しゃがみこんでしまった匡。寝不足で力が出ないらしい。背中を撫でると「寝不足で吐きそう」と言い出して、「ひっ」と声が出た。
「吐くの!?ふ、袋······!」
「あー、大丈夫だから。吐くときは静かに1人で吐くから安心しろ。」
「安心できないよ!?」
体育の先生に匡が体調不良だと伝えると、匡っは見学することになった。うん。そっちの方が安心だ。
「悪い······」
「ううん。いつも俺が迷惑かけてるからね!ていうかちょっと寝てたら?俺の上着貸してあげる!」
「ありがとう。」
匡の顔色が悪い。もしかして、寝不足だけじゃないんじゃないか?
心配だなと思っていると授業が始まって、匡から離れ、列に並んだ。
「匡君大丈夫なの······?」
「わかんない。すごくしんどそうだったけど······」
「後で保健室連れて行ってあげたほうがいいよね。今も、ほら······。」
優生君に言われて、匡の方を見ると、横になってそのまま動かないでいてる。
確かに、後で保険室に運んであげたほうがいいな。
「そこ、ちゃんと体操しろ!」
優生君と話していると先生に注意されてしまって、肩を竦め、それからは匡が気になってもチラっと見るだけにした。
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