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第124話
長かった授業が終わり、放課後になって教室の隅っこで机を合わせて勉強をする。
ああもう、どうしても英語ができない。元から嫌いだったけど、この前の先生との1件があってから、もっと嫌いになった。
「千紘、そこ間違ってる。」
「えっ、嘘。」
「嘘じゃない。そこは······」
匡も優生君も教え方が上手だから勉強が捗る。絶対解けないと思っていた課題だって思っていたよりサラサラと解けた。
「すごい······!こんなに解けた!」
「よかったね!」
「優生、お前もここ間違ってる。」
「え······。嘘、何で?」
優生君が課題を睨みつける。
「ここは面積もかけないといけねえんだよ。求めたいものの単位をちゃんと見ろ。」
「あ、そっか······。僕いつもここ間違えちゃうんだ。」
「確認のために単位だけの計算もしたら間違いがなくなると思うけど。」
「本当だね。次からそうするよ!ありがとう。」
2人の距離が縮まっている様に見えた。
嬉しいな。余計なお節介だとは思ったけど、このまま2人は結ばれて欲しい。
「おい、手止まってるけど。もう疲れたのか?」
「えっ!?ううん!ちょっと考え事してただけ!」
「別のこと考える前に目の前のことしろよ。集中しねえとできるもんもできねえよ。」
「わかってるよ!」
ど正論を言われて言い返せない。
俺から頼んだんだから、もっと真面目に頑張ろう。
気合いを入れて、目の前の課題に視線を落とした。
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