130 / 876
第130話 R18
既に体の力が抜けて、快感を受け入れることしかできなくなっている千紘に、何度もキスを繰り返す。
飲み込めない唾液を口端から零し、ぼんやりと空を見る姿は少し寂しい気もする。
「千紘」
「ぁ······あっ、ぁ、あ!」
「千紘、俺を見て。」
頬をガッと掴み、無理矢理視線を合わせる。目が合った途端、千紘は顔を歪ませてまた泣き出した。手を離すと俺に腕を伸ばし抱きついてくる。
「も、わかん、ない······無理······っ、偉成、許して······っ」
「······じゃあこれで終わり」
千紘の体を起こし、俺の膝に座らせる。
「ぁ、ん······んんっ······奥、きたぁ······っ!」
抱きつく力が強くなる。ゆっくりと律動すると千紘が「イク······っ!」と言って射精した。精液の色が薄くなっていて、本当に限界なんだとわかる。
「千紘······好きだ。愛してる······お前は······?」
「あっ、あぅっ、す、き······すきっ、好き······!」
ずっと心が乾いている。
千紘に出会った日からずっと。
ゴムの中で射精して、ガクガクと震える小さな体を強く抱き締めた。
潤わない。
足りない。まだまだ全く、心が満たされない。
「偉成ぇ······?」
「はぁ······」
「偉成······も、抜いて······。」
「······ああ」
足りない。もっともっと千紘が欲しい。
「っ、痛っ!」
「············」
「痛っ、ぁ、痛い、偉成······!」
千紘の肩に噛み付く。口を開けて自分の付けた歯形を見る。血が滲んでいて、それがやけに嬉しく思う。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!