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第145話 千紘side
すやすや眠る偉成に布団を掛けて、静かに寝室から出た。
偉成は生徒会長だから、やる事が多くて今日はすごく疲れてる。代わりに俺が全部するぞっていう気持ちで、洗濯物を取り込んで畳んだ。
15分はあっという間だった。やっぱりもう少し寝かせてあげた方がいいかな。疲れてるのに起こすのは可哀想だ。
冷蔵庫にある食材を見てから、スマートフォンで検索して、レシピを見ながら料理を作る。
時間はかかったけど何とかご飯は作れた。
まだ午後5時。夜ご飯には早いし、俺も少し疲れたから偉成と寝ようかな。
またコソコソと寝室に入って偉成の隣に寝転ぶ。甘えたくなって抱き締めた。最近は俺達が決めたルールで、次の発情期まではキスだけしかできていない。それだけじゃ少し足りないけど、この前みたいなことがあったら怖いから我慢してる。
「······早く発情期来ないかな。」
偉成の頬にちゅってキスして、目を閉じる。
このままずっと寝ちゃったらどうしよ。あのご飯は朝か、それか明日の夜にでも食べたらいいや。
「ん······」
偉成が寝返りを打って俺の方を向く。
ついつい目を開けてその顔を凝視した。
凄く整った顔。格好いいな。
すべすべの頬。触っているのが気持ちいい。
あ、そう言えばクリーム塗ってあげるの忘れてた。偉成の肌が荒れたらどうしよう。
「······クリーム······後で、塗る······。」
思い出したけど眠気には勝てない。
偉成にかけた布団をちょっともらって、そのまま俺も眠りに落ちた。
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