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第146話

ハッして勢いよく起き上がった。 部屋はもう真っ暗。偉成はまだスースーと隣で眠っている。 「今何時······?」 時計を見るともう7時前。慌てて偉成の肩をとんとんと叩く。 「偉成、起きて!もうこんな時間!」 「······眠い」 「もう7時だよ!ご飯食べよ!」 「7時!?」 偉成も驚いて起きあがり、寝室を出てキッチンに向かう。 「ご飯、作ってくれてたのか。」 「あ、うん!美味しいかはわからないけどね。」 「······ありがとう、助かった。」 小さく息を吐いた偉成。その時ピンっと思い出した。偉成の服を掴んで胸辺りまで捲りあげる。 「っ!?千紘!?」 「クリーム塗り忘れてた。肌荒れちゃうから塗ろう?」 「あ、ああ。」 偉成からボディークリームを渡されて、広い大きな背中に塗り込む。 「千紘は他のオメガの匂いもわかるのか?」 丁寧に塗っていると偉成が不思議そうに聞いてくる。 「フェロモンの匂いのこと?それはわからないよ。」 「じゃあ何であんなに洗ったんだ?」 「······偉成じゃない匂いが着いてたから。多分······そのオメガの子の匂いなんだろうけど。」 「なるほどな。やっぱりオメガのフェロモンはアルファとベータにしかわからないんだな。」 うんうん、と頷いてそういえば俺は違ったと思い出す。 「でもね、何でか知らないけど俺が初めて発情期が起きた時にはオメガの皆にもフェロモンの匂いがわかったって。」 「おかしいな。そんな事は初めて聞く。」 「うん。そうなんだよね。まあそれが原因で何かがあったわけじゃないからいいんだけど。」 塗り終わって「はい!」と言いながら軽く背中を叩くと服を直して「ありがとう」と言ってくれる偉成。 「ご飯食べたら今日はもう寝ようね。」 「ああ、そうだな。」 そしてテーブルの席に着いて手を合わせ、ご飯を食べた。

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