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第147話
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「暑い、あつーい!」
「うるせえ、暑いって言うな。こっちまで暑くなる。」
体育祭が終わり、夏がやってきた。
6月に入った途端気温がグンっと上がった気がする。
「クーラーついてるとはいえさ、自分の気持ちいいって思える温度に設定できないから、なんか······もどかしいよね。」
「集中管理室で一斉管理だもんな。俺ももう少し涼しくしてくれてもいいと思う。······兄貴に抗議するか。」
「偉成の仕事を増やすのはやめてほしい。」
「うるせえな。生徒の思いを代表して教師陣に伝えるのが生徒会長の仕事だろ。」
絶対にそれだけじゃないし、偉成にはもっと重要な仕事がきっと沢山ある筈だ。その邪魔はしたくない。
「兄貴のこと好きすぎだろ。何がそんなにいいんだよ。」
「俺の事1番に考えてくれるところ。優しいし、清潔感はあるし、頭もいいし運動だってできるし······非の打ち所がないよね。」
「······お前の惚気聞いてたら頭悪くなりそう。」
「はぁ!?ねえ優生君!匡が酷いこと言うんだけど!」
背中側から優生君の首に腕を回して、匡を睨みつける。
「優生君は俺の味方だ!」
「お前らが2人で掛かってこようが俺は痛くも痒くもねえ」
「っ!ムカつく!バーカバーカ!」
「それしか言えねえのか。」
勝ち誇ったような匡の顔。
優生君が「落ち着いて」と言って、首に回る俺の腕を軽く叩く。
「でも会長は格好いいよね。何でもスマートにこなす感じ。お弁当も作ってくれるんでしょ?」
「そうなんだよ!いつも持たせてくれて······。本当に優しいんだよ。」
「千紘君を見てたらわかるよ。すごく愛されてるんだね。いいなぁ。」
自然と笑顔が零れる。
恋人のことを褒められるのは嬉しい。
「次の発情期は来月?」
「うん、ちゃんと周期通りに来たら······。」
「その時番になるのかな?そしたら僕も嬉しいな。」
その予定ではあるけど、いざその時になったらまた怖くなっちゃうんだろうなぁ。
いや、気持ちよすぎてわからなくなってるかも。
「楽しみだね。」
「そ、そうだね!」
優生君の言葉に小さく笑って頷いた。
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