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第150話
偉成が不思議そうに俺を見上げてくる。
体にかかっていた布団を剥ぐと、偉成のペニスが若干大きくなっていた。
「千紘?どうした」
「それ、寝れる?」
「寝ようとしてるのを起こすな。」
「俺が寝かせてあげる」
そこを触ると、偉成が俺の手首を掴んで首を振る。
「ダメだ。もう寝る。」
「······そんなに嫌なの?」
「これで我慢できなくなってお前を傷つけるかもしれない。そうなるのが嫌だ。だから、頼むからやめてくれ。」
「······わかった」
今日は諦めて、もう1度ベッドに寝転んだ。
今度は偉成に抱きつくのはやめて、ちょっとだけ離れた。
「ごめんなさい」
「いや、いいよ。」
申し訳なく思ったけど、でもやっぱり少しは偉成に触れていたい。
「ねえ、手を繋ぐだけしてもいい······?」
「ああ」
偉成の手を取ってぎゅっと握る。
それだけでも心はぽかぽかする。
「明日もこうして寝たい。」
「いいよ」
「好きだよ、偉成。」
「俺も好きだ。ほら、今日はもう寝よう。また明日話そうな。」
偉成がそう言って俺の頭を撫でられた。
それが気持ちよくて目を閉じる。
「おやすみ、千紘。」
「······おやすみなさい。」
そして眠りに落ちた。
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