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第152話

翌日から始まったテスト。 千紘は体がだるいみたいで、重たい足を引き摺るようにして学校に向かった。 心配だから教室まで送り、教室内では匡に様子を見させて、帰りはまた俺が教室まで迎えに行く。 「ごめんね。」 「謝らなくていい。俺が好きにしてることだ。」 「······面倒じゃない?嫌になったら1人で帰れるし、大丈夫だからね。」 俯きながら歩き続ける千紘。 荷物を持ってやるとそれすらも申し訳なさそうにする。 俺はオメガの発情期がどんなものかが分からないから、もちろん発情期前の不安な気持ちもわかってやれない。 俺はそっちの方が申し訳なく思うから、少しでもサポートしたいと思うのに。 「面倒じゃない。千紘と一緒にいれるから、俺は嬉しいよ。」 「······ふふっ、それだと俺も嬉しい。」 千紘が少し笑顔になる。それに安心して足を進めて、やっと寮に着いた。 「今日はどうだった?テストは上手くいったか?」 「うん。いつもよりできたと思う。」 「よかったな。明日も出来るよ。」 「うん!明日も頑張るよ。」 千紘から零れた笑顔が可愛い。 頬にキスをすると嬉しそうに口元を緩める。 「晩御飯作ってくるよ。千紘は好きにしていたらいいよ。」 「ありがとう」 キッチンに行って、今日は千紘の好きな物を作ってあげようと気合いを入れてエプロンを着けた。 *** 「わっ!焼肉だ!」 「ああ。肉好きだろ?」 すごく嬉しそうな表情。それを見て安心する。 「千紘、食べれるだけでいいからな。」 「うん!でも美味しそうだから、全部食べちゃうよ!」 このまま、発情期まで元気でいてくれたらいいんだけど。 そう思いながら席について、一緒に手を合わせ「いただきます」と挨拶をして箸を手に取った。

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