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第159話
風呂から上がって軽い食事を取り、発情期の届けの事について誉に連絡をしてゆっくり休むことにした。
「高梨先輩、何て?」
「届けを出しておいてくれる。今回はテストが終わった後だったし、別に何にも響かないだろ。」
「そうだね。」
千紘の首にはもう首輪がない。
もう千紘のこれからの人生を俺が貰ったんだ。千紘の御両親に挨拶に行かないといけないな。
「千紘、夏休みの間、御両親は何をしてる?」
「え、多分仕事だけど······?どうしたの?」
「土日は?休みか?もしそうなら挨拶に行きたい。」
そう言うと千紘は顔を真っ赤にして、それからふんわりと微笑んだ。そして優しい匂いが鼻腔を擽る。
「嬉しい。俺の母さん達に会ってくれるの?」
「ああ。もちろんだ。番になったわけだしな。」
「ふふっ。じゃあ母さん達に確認してみるね。」
千紘がそう言ってスマートフォンを手に取る。そして電話をかけだした。
「あ、母さん?······うん、あのね。母さん達に会いたいって人がいて、その人に会って欲しくて······夏休みの間、空いてる日ある?」
邪魔をしないようにそっと離れて、自分の珈琲と千紘のカフェオレを作って戻る。
「偉成、この日はどう?」
「ああ、空いてるよ。」
電話を終えていた千紘がカレンダーを見せて言ってくる。
「よかった。じゃあこの日にしよう。でも俺も偉成の御両親に挨拶したい。」
「ああ。なら俺も日を設定しよう。」
「ありがとう!······偉成の御両親に会うなら、ちゃんとした格好をしないとね。」
「気にしなくていいだろ。普段の千紘の姿を見せたい。」
飾らなくていい。いつもの千紘で充分だ。
「楽しみだね。」
「そうだな。」
千紘の頭を撫でて、頬にキスをする。
優しい匂いが心地良い。
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