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第170話
翌日、服を買いに街に出た。
偉成と手を繋いで道を歩く。
「千紘の好きそうな服がある!あそこの店に行こう!」
「わっ、本当だぁ!一緒に行こ!」
お店に入って好きな服を手に取って自分に合わせる。
「うん、似合ってる。それ買うか?」
「ダメだよ。欲しいものの中から1つだけ!お金使いすぎたらお小遣いがなくなっちゃうから。」
「俺が出すからいい。これは買うぞ。」
「あー!!ダメだってば!」
そんな贅沢はしちゃダメだ。それに偉成に買ってもらうつもりなんて毛頭ない。
「ピンク可愛いなぁ。」
「千紘は明るい色が似合うからな。ピンクか······可愛いな。」
「本当?じゃあこれにしようかなぁ。」
顔色も明るく見える。それに偉成が褒めてくれた。
「これに決めた!」
「よし!会計だな!任せろ!」
「だから自分で払うってば!」
偉成は強引なところがある。それも時と場合によってはいい事なんだろうけど、今はよろしくない。
「プレゼントがしたい。首輪の役目はもう終わったし、新しい何かを千紘に渡したいんだ!」
「······でもこれはいい!」
「······わかった。なら俺は今から千紘へのプレゼントを買いに行く。だからそれを早く買え。」
「うん!······え?」
今から俺へのプレゼントを?
先に店を出ようとする偉成を引き止めて、お会計を済ませ一緒に外に出る。
「あの店だ!」
「······いや何を買うつもり?」
偉成が指をさしたのはジュエリーが沢山置いてあるお店。
「いいから行くぞ!」
「わっ!」
腕を強く引かれて、足が絡まり転けそうになった。
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