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第178話 優生side R18
夏休みが始まって、実家に帰るとお兄ちゃんから嫌がらせばかり受けるようになった。
この数ヶ月を1人で過ごしていた分、それが今までより辛く感じる。
「っ、あぁ、ぁ······!」
「ちっ、力入れんじゃねえよ。」
発情期でもない僕の体を、前戯も何も無く開いていくお兄ちゃん。辛くてつい体に力が入ってしまう。
「っ、──ッ、ぁ、切れ、る······ッ!」
そう小さく訴えると、突然首を絞められた。呼吸ができない、苦しい。ぼんやりとお兄ちゃんを見ると口許に笑みを浮かべている。
「はぁ······気持ちいいぞ、優生。」
「っ、が······ヒュッ······ぁ······」
体に力が入らなくなって、後孔の締め付けも緩くなったらしい。
しばらくして首から手が離れて、お兄ちゃんは僕を好きに使った。
こんなことしたくない。
助けて欲しい。今までずっと我慢してきたんだ。もう嫌だ。
「や、だぁっ!いやぁっ!ぁ、あひっ、ひぃっ!もう、やめてぇ······っ!」
「うるせえな」
僕には好きな人がいて、その人に愛されたいんだ。お兄ちゃんに愛されたいわけじゃない。
泣き喚いていると、僕の携帯が音を立てた。ずっと震えてるから電話だと思う。
お兄ちゃんは舌打ちをしてそれを手に取り「赤目匡?誰だこいつ」と呟く。
「優生、これ、誰だ。」
「ひっ、ひぃ、とも、だち······っ!ぁ、匡君っ、やだ!お兄ちゃん······出ないで······っ」
「いいや、出る。───もしもーし?優生の友達?」
「やだぁっ!!」
酷い、ひどい······酷い。
「あ?優生に代われって?いいぜ。──ほら、出ろ。」
「っ、匡、君······っ」
電話を渡されて「切るな」と命令された。逆らう事なんて出来ないから、泣きながら電話に出る。
「匡君······っ」
「優生?どうした。なんで泣いてる。」
「っぁ、たすけ、て······」
そう呟くとお兄ちゃんに頬を殴られた。余計な事は言うなってことらしい。
「優生?大丈夫か?······助けてやるから、今どこにいるのか教えろ。」
「い、今は、家、で······っひ!あ、あぁっ!やめ······っ!」
突然お兄ちゃんが激しく律動して声が抑えられなかった。匡君にはもちろん、声が聞こえてしまったはずだ。
「た、すけて······」
どれだけ醜くて情けないってことが匡君に知られても、もうこんなことは嫌だった。早く誰かに助けて欲しい。
お兄ちゃんに携帯を奪われて、どこかに投げられる。物がぶつかる音が部屋に響いた。
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