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第187話 匡side
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優生を家に連れてきた時、早く優生から離れないと間違いを犯してしまいそうで、逃げるように買い物に出た。
正直、優生の体を見て興奮した。アルファを誘うイヤらしい体。本人はそのつもりはなくてもそう見えてしまう。
本当は本能に逆らわずに優生を優しく抱いてやりたいと思った。けれど散々に殴られて犯されて······弱っている心に付け込むようなことはしたくない。
「······はぁ。買い物······」
心を落ち着かせるように、まだ外が暑い中歩いて近くのショッピングモールに向かう。
優生の着替えを何着か購入して、それから日用品も揃えて、帰りはタクシーに乗り帰った。
それでも多く買い物をしたから、結構時間が経っていたようで、家に帰るとソファーで優生が眠っていた。いくら夏だとしても、クーラーがかかっている部屋で何も体に被せずに眠っていたら風邪をひくかもしれない。
軽目の布団を体に掛けてやって、それから晩飯を作った。
それを作り終わったあとも、優生は心身ともに疲れてるだろうから起こさないようにして、先に風呂に入った。
風呂からあがると晩飯を食べるには丁度いい時間になっていた。
そこでやっと優生を起こし、一緒に食事をとる。
「あの······寝てばかりでごめんね。」
「いいんだよ。お前は暫く体が楽になるまで休む事が仕事。暇なら学校の課題をしてろ。」
「そんな······僕洗濯物とか、お風呂洗いとか、ご飯を作るのもできるよ!ここに住まわせてもらってる間は、せめて······ほら、家賃代わりに······ね?」
「ダメだ。怪我人は黙って俺の言うことを聞いてろ。それで無理をして、もしまた怪我をされたら、その方が困る。」
きつい言い方をしてしまったかもしれない。優生が俯いて「わかった」と小さな声で返事する。
「······悪い。言い方がきつかった。」
「あ、ううん。大丈夫。」
「······俺は昔から上手く伝えることが出来なくて、だから······知らない間にお前を傷つけてるかもしれない。その時は教えてくれ。」
「大丈夫だよ。僕、そんなちょっとの事で傷ついたりしないから。」
笑ってそう言う優生。でもそれじゃあいけないと思う。
俺も、優生も、そのままじゃ成長できない。
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