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第193話 優生side
匡君のお家に住まわせてもらってからしばらく経った。
僕の体の怪我はだいぶ良くなり、痛みも引いて普通に生活できるくらいにまで回復した。
晩御飯を食べて、お皿を片付けようと席を立つ。
「優生、片付けはいいから風呂入ってこい。」
「いや、僕が片付けするから、匡君がお風呂入りなよ。ずっと面倒見てもらってるから!」
「お前は怪我人だろ?それくらい俺がする。」
「もう治ったもん」
意地を張って匡君に詰め寄ると、小さく溜息を吐いて「わかった」と言って立ち上がった。
「少しでも痛んだら置いておいたらいいから。」
「大丈夫だよ!」
「······わかったわかった。」
呆れたように頷いた匡君だけど、でも本当に大丈夫なんだもん。どちらかと言えば匡君が過保護なんだ。
そういえば、匡君に伝えないといけないことがあった。
多分、一緒に生活しているならとてつもなく大切なこと。
「匡君」
「ん?」
「僕ね、言ってなかったんだけど······今月に発情期くるんだ。」
「はっ!?」
驚いて固まり、俺をじっと見た匡君は、今度は大きな溜息を吐いて机に手を着く。
「何で言わないんだ。抑制剤を用意したりしないといけねえし······」
「だって、こんなことになるって思ってなかったし······。」
「······なあ、そろそろハッキリしよう。」
唐突に匡君がそう言い出して、落ち着いていた空気にピリッと緊張が走った。
「俺に言いたいことがあるんだろ。いつも言えないでいるのは知ってる。俺もお前に言いたいことがあるんだ。だからお互いにちゃんと話をしよう。」
「······匡、君」
「言わないと辛いこともある。それは分かってる。だから、な?」
「っ······」
言ってしまえば楽になることもあるのかな。
僕の場合、伝えたら終わってしまう気がする。
「話、しなきゃだめ······?」
「話そう。変にお互いに気を使っても疲れるだけだ。」
ぐっと歯を食いしばった。
「わかった。でも······僕が話したからって、嫌いにならないで。」
「ならないよ。約束する。」
その言葉を信じて、ゆっくりと頷いた。
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