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第199話

課題を終えると、優生は疲れたようにソファーに倒れた。もしかして寝るのか?さっき起きたばかりだけれど。 「優生?疲れた?寝るのか?」 「······疲れたけど、寝ないよ。匡君とお話したい。」 「話?」 「うん。匡君のこと、もっと知りたいな。」 小首を傾げてそう言ってくる。ああ、可愛い。そういう姿はまるで小動物みたいだ。 「俺の事?何が知りたい。」 「えっと······ほら、お兄さんのこととか、あと······どうしてここで1人で暮らしているの······?」 「············」 聞いてくることは可愛くはなかった。正直ピリッと胸に痛みが走ったけれど、そりゃあ誰だって高校生の俺が1人でマンションに住んでいたら不思議に思うだろう。 「······話さないとダメか?」 「······ううん、話したくないならいいの。匡君が傷つくなら、聞かなかったことにして。」 「っ······、話したくないわけじゃない。嫌なんじゃないんだ。ただ惨めな気持ちになりたくないだけだ。」 「惨めな気持ち?何で?匡君は素敵な人だよ。だからそんな気持ちにならなくていいよ。」 そうは言われても、どうしてもそんな気持ちになってしまう。困ったなと苦笑を零すと「ごめんね」と謝られた。 「何も知らないのにこんなこと言ってごめんね。」 「いや······」 「もし話せる時が来たら教えて欲しいな。あ、無理はしないでね。」 「ありがとう」 今話さなくて済むと思うと楽だった。 その代わり、何も話すことが思いつかなくて、そのまま固まってしまう。 恋人に、なったんだよな? 恋人同士って何を話すんだろう。何をすればいいんだろう。全くわからない。 「優生」 「うん?何?」 「な、何されるのが嬉しいんだ。実は俺······恋人とかできたことがないから、分からなくて······。」 恥ずかしいけど、聞かなくて間違えるよりずっとマシだ。

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