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第212話
***
発情期が終わり、翌日は2人してベッドで体を休めていた。
「優生······水いるか?」
「水······飲みたい。飲ませて······あのね、体動かない······」
「わかった。」
ペットボトルを優生の口元で傾ける。
ごくごくと水を飲む優生。喉が動く様子が、何故か妖しく思えた。
「············」
「んっ!も、もういいよ!」
「あ、悪い······。」
やばい。優生のこと、そういう目でしか見れなくなってきた。
濡れた唇がエロくて、ドキドキする。
「匡君······?」
「っ!な、なんだ」
「どうしたの?あ、疲れたよね······ごめんね、僕ばっかり良くしてもらって······」
「そんなことない!」
慌てて否定した。だって俺は心まで満たされて、今じゃなんだってできるって思うくらいなのに。
「風呂入ろう。」
「ぁ、うん。でも本当、腰立たなくて······」
「運ぶからいいよ。ほら、掴まってろ。」
優生を風呂まで運んで、体も髪も全部丁寧に洗ってやる。恥ずかしそうにしていたけど、そんな所も可愛い。
「き、匡君、ちょっと変だよ!」
「変じゃないだろ。何が変なんだよ。」
「さっきから、僕を見る目がおかしいもん!」
「そりゃあ恋人の体見てんだ。仕方ねえだろ。」
「し、仕方なく無い!恥ずかしいんだからね!」
そうやって文句を言われたって仕方がない。事実は事実だ。
自分の体は適当に洗い、風呂から上がって柔らかいタオルで体を拭いて服を着る。
「匡君が急にデレデレだ。すごく甘くなった。」
「そうか?前から甘いだろ。」
「そんなことないもん。」
「ならそういうことでいい。」
また優生をソファーまで運ぶ。
そっとソファーに座らせると、そのまま首に腕を回し引き寄せられてキスをされた。
「キス、もっとしたい。」
「······もちろん」
そうして甘い時間を過ごした。
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