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第217話

始業式が終わると、教室に戻りホームルームをしてから直ぐに解散になった。 「千紘!」 「触るな!」 「っ、ご、ごめん······」 寮に戻って千紘を抱きしめようと思ったら怒られてしまってそれが出来ない。 「昨日言ったこともう忘れたの?」 「忘れてない。ただ······やはり見てるだけじゃ物足りない。」 「何言ってんの······。」 呆れた様子の千紘。持って帰ってきた荷物を片付けるからと、寝室に行ってしまった。 「千紘、何でお触り禁止なんだ?そんなに触られるのが嫌なのか?悪いことでもしたか?」 「したでしょ。痴漢だとか言って俺の体触ったじゃん。俺、ああいうの嫌い。実践されなくても言葉で伝わるし。」 「でも千紘はわかってなかっただろ。だから行動した。何が悪い。」 「······とにかく、ああいうことされるのは嫌なの。」 そう言われてしまえば、俺が嫌なことをしてしまったことを理解して、千紘が怒っている理由もわかる。 でもお触り禁止は辛い。謝り倒すしかないか。 「千紘、悪かった。本当に反省してる。」 「············」 「だから、お触り禁止はやめてくれ。俺が千紘不足で死んでしまう。見ろ、手が震えてるだろ。これはもうまずいんだ。」 「意味わかんない」 千紘に触りたくて仕方なくて震えている手を見せたのに、フイっと顔を背けられた。 「もう千紘不足で何も出来ない。この1週間はもう何もしない。」 「ちょっと······」 「許してくれ。そしたら俺は頑張れる。」 土下座をする勢いで床に座り込む。 すると千紘が「もう······」と言って俺の背中を撫でた。 「いやらしい触り方しないなら、いいよ。」 「本当か!!」 「その代わり、ちょっとでもエッチな触り方したら本当に禁止にするからね。」 「わかった!ありがとう!」 「わぁっ!」 強く千紘を抱きしめた。苦しいと言われても離さない。昨日から我慢してたんだ。 「苦しいってば!」 「嫌だ。離さないぞ。」 「もう······俺の事どれだけ好きなの。」 「説明するか?それなら何時間も話せると思うが。」 「要らない」 触れたことが嬉しくて、自然と頬が緩む。

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