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第218話

「偉成」 「ん?何だ。」 触りたくて仕方がなかった気持ちも落ち着いて、片付けを終わらせ昼御飯を食べていると、千紘が少し嬉しそうな顔で俺の名前を呼んだ。 何が楽しいことでもあったのだろうか。すごく気になる。 「実はね、今日実家から······父さんが学校まで車で送ってくれたんだよ。」 「へえ!よかったじゃないか。」 千紘の家族関係がいい方に向かっている。それは俺にとっても嬉しいことだ。 「偉成のおかげだよ。ありがとう」 「俺は何もしてないぞ。」 「ううん。沢山してくれたよ。······それから、父さんが偉成君によろしくって!」 千紘の笑顔が眩しすぎる。 思わず目元を片手で覆った。なんて可愛らしいんだ。日に日に愛しさが増している気がする。 「偉成?」 「え、あ······うん。俺もお義父さんに会いたかったな。」 俺の番は今日も可愛い。 ああそうだ、どうせなら誉が言っていた生徒会の手伝いを千紘にしてもらうはどうだろう。 一緒にいれる時間が増えるし、俺としては万々歳だ。 「千紘、生徒会入らないか?」 「は?何急に。誰か辞めるの?」 「違う。仕事が忙しくて手伝って欲しいんだ。それにそうすれば俺と千紘が2人でいられる時間も増えるだろ?」 「······確かに。」 少し悩んでいるのか、難しい表情をする千紘。ああ可愛い。口元に指が添えられる。なんだその細い指は。 「うん、生徒会の皆さんがいいって言ったら、お手伝いさせてもらおうかな。」 「よし!」 絶対にいいって言わせてやる。 ご飯を食べ終え、早速生徒会の皆に話をしに、部屋から飛び出した。 *** 「別にいいぞ」 「本当か!」 まずは副会長の誉に話をすると、すぐに了承してくれた。 「お前の仕事が捗るならそれで。」 「すごく捗る。」 どれもこれも千紘パワーだ。どれだけ大変でも頑張れるぞ。 「それはよかった。けど高良にはちゃんと先制しておけよ。」 「ああ······確かにそうだな。ちゃんと伝えておこう。」 「高良と松舞は仲がいいのか?」 前の1件があって以来、千紘と高良が話しているところは見ていない。高良が一方的に千紘の事を話すのは聞いているが、千紘からは聞かないし······。 「少なくとも高良は千紘の事を嫌ってはいないな」 「そうか。松舞はどうなんだ?」 「この話をした時、高良のことも聞いてこなかったから、何とも思ってないんじゃないか?」 「ならいいけどな。」 千紘に高良のことであまり不安に思わせてはいけない。何かあればすぐに間に入れるように、そこには常に気を配っておかないと。

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