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第224話 R18
優しい手が髪を撫でて、キスされる。
かと思えば足を抱えられ、後孔からゆっくりとペニスが入ってきて、首がググッと反れた。
「はぁっ、はぁ······っ!」
腰を掴む偉成の手に、自分の手を重ねる。
「動くぞ」
「んっ、ぅ、ぁ、あっあっ、あ!」
律動が始まって、襲ってくる快感を受け入れる。偉成が何度も好きって言ってくれて、それがすごく嬉しかった。
「あっ、ぁ······偉成ぇ······」
俺も好きって伝えたいのに、それより涙が止まらない。
生理的な涙と、嬉しさに溢れるそれは拭っても拭っても溢れてくる。でもそれだけじゃない。何だか悲しい気もするんだ。
そう思っていると、上からポタっと頬に落ちてくる雫。
「偉成······っ?」
「っ······」
偉成を見ると泣いていて、焦って偉成を抱きしめた。まるで偉成の不安が俺にも移ってるみたいに、心の中にあった悲しさが大きく膨らんでいく。
「っ、偉成······」
「千紘······悪い、ごめん······好きなのに、こんなに愛してるのに······俺の気持ちじゃないかもしれないって思うと、辛くなってきて······」
「泣かないで、大丈夫だから」
ゆっくりとペニスが抜けていく。
こんなに弱っている偉成に無理させちゃいけない。
「ね、この続きは、明日にしよう······?今日はもうゆっくり休んで······」
「······そうだな」
そういう気分じゃなくなった。
今は偉成を支えてあげないと。
一緒にお風呂に行って体をお湯で流す。
その間は何も話さないで、ただ暗い空気だけが流れていた。
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