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第231話
生徒会の仕事を終えて、寮に戻り、今日は俺がご飯を作って風呂洗いを千紘がした。
風呂洗いを終えた千紘は俺の隣に来て、手元を覗き込む。
「あ、ミルフィーユだ!」
「ああ。簡単だしな。腹減っただろ」
「うん、今日は走り回ったからねぇ。」
白菜と豚肉を交互に挟んで切り、鍋に綺麗に並べる。
「偉成は?今日はずっと生徒会室で仕事してたんだよね?」
「······死ぬ程疲れた。もうサインは書きたくないしハンコも押したくない。」
「あらら。じゃあ肩凝ったんじゃない?お風呂上がったらマッサージしてあげるね。」
思わず料理していた手を止めて、手を洗い千紘を抱きしめた。
もっともっと千紘に触れて、千紘が俺の元から離れないようにしておきたい。
「お腹すいたよぉ、早く作ってー!」
「ああ、悪い。」
千紘を離してやると、突然楽しそうな表情をして、何事かと思えば頬にキスをされた。
「これは夜のお誘い」
「············」
「あれ、嫌だった?」
「······お前は俺を殺す気か」
可愛くて死んでしまいそうだ。
顔を両手で覆って膝から崩れた。なんて愛しいんだ。
「あー、もういいから、早く、時間なくなるし。」
「そう思うならそんな可愛い誘い方をするな!」
「だって······。もういい、俺がする。」
手を洗った千紘が、白菜と豚肉を鍋に詰めて火にかけた。
後ろからその姿を見る。
小さくて可愛い尻が揺れてる。
「いつまでそうしてるの!いい加減立って!」
「千紘の尻に見蕩れてた」
「はぁ!?お金取るよ!」
「いくらだ。いくら払えばずっと見ていていいんだ。」
「うるさい!」
お金を撮るって言ったのは千紘なのに、怒られてしまった。
これ以上千紘を怒らせては、さっきの夜のお誘いもなくなるかもしれないと思って、急いで手を動かした。
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