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第238話

衣装の下にスラックスを履かされて、こっちに匡と一緒にやってきた優生君。 「スカートって足がすーすーするんだね、変な感覚だった。」 「そんなことは聞いてねえ。お前1人だけ何回お辞儀させられてんだ。気付けよ」 「僕のお辞儀がダメなんだと思って······ごめんね。」 優生君がスカートの裾を引っ張る。 「それにしてもうちのコンセプトはなんなの?女装カフェか何か?」 「ううん、僕だけなんだよね。オメガだからかなぁ。」 「確かに、優生君女の子みたい。スラックス脱いでよ、それでくるって回って欲しい!」 「いいよー!」 「いいよじゃねえ!」 優生君はノリノリなのに匡がダメだって言う。 「可愛い僕見たくない?」 「······見たい」 「だから1回だけ。匡君と千紘君の前だけ」 「······許す」 お許しをもらってスラックスを脱いだ優生君。そのままその場でクルリと1度回った。スカートがひらりとして可愛い。 「どう?」 「······可愛い」 「可愛いよ優生君!」 思わず抱き着くと匡に無理矢理剥がされた。これくらいのスキンシップは許してくれてもいいと思う。 「匡は独占欲が強すぎると思う。そういうところ偉成にそっくりだ。」 「会長さんもそうなの?たまに困るよね、ちょっとの事で怒られるの。」 「そうだよ!だから最近はそれに対して怒るようにしてる。俺を好きでいてくれるのは嬉しいんだけどね。」 「おい、俺の前でそんな文句言うな。」 匡に怒られて、優生君と2人でクスクスと笑う。 「さ、準備しないとね。」 「そうだね。僕ももう少しスカート長くしてくれるように頼んでくる!」 「うん!」 スラックスを履き直して、衣装係の所に行った優生君。 「可愛かったな、優生。」 「うん。」 匡がぼそっと呟いた言葉に頷いた。

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