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第240話

正直俺も今日は偉成に甘えたいと思っていたから、寂しい気持ちが心の大半を占めていた。 「ふぅ」 お風呂に入って髪を乾かし、学校の課題を終わらせてから寝室に行く。 眠ってる偉成の隣に寝転んで、目を閉じるけど、なかなか眠れない。 偉成に近づいて、キスをしてみる。 疲れてるからか、眠りが深いみたいで何をしても起きなさそうだ。 またキスをして、抱きついた。 「偉成······好き······好き、大好き······。」 本当は甘えたかった。明日は思う存分甘えてやるんだ。そう思いながら偉成の匂いをスースー嗅ぐ。 「ん······千紘······暑い······」 「あ、ごめん······」 深く眠っていたはずなのに、俺が抱きつきすぎて暑くて起きちゃったみたい。そっと離れて今度こそ目を閉じて眠りに落ちた。 *** 「千紘」 「······ん」 「起きて、朝ご飯」 「······やぁ、まだ寝る」 昨日はあまり寝つきが良くなかったから、起きるのが辛い。 偉成に体を揺すられるけど、起きる気にはならない。 「あと5分だけだぞ」 「ん······」 静かになって、少ししてまた深く眠りに落ちようとしたところで、布団を剥ぎ取られる。 「起きろ」 「5分、経ってないでしょ······」 「経った。」 渋々起き上がると「顔洗っておいで」と言われて、洗面所に行く。 「今日は俺が甘える日······」 顔を洗って、タオルで拭いて、完全に目を覚ました。 リビングに走って、偉成の前に立った。 「偉成!」 「ん、何だ」 「今日は沢山甘えたい」 「いいぞ。昨日は全部任せて悪かったな。」 偉成に頭を撫でられる。 「撫でられるの好き」 「知ってる。嬉しそうな顔するからな」 「ふふっ······あ、学校遅れちゃうね。」 「ああ、早く食べよう。」 テーブルの席について、手を合わせた。

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