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第241話
***
文化祭の準備も今日で最後。
明日はついに本番だ。
「何か体おかしい」
「前の発情期からもう3ヶ月経つか?」
なのに朝から体の様子がおかしかった。
先に抑制剤を飲んでおこうと思って、薬を手に取る。
「文化祭の時に発情しなかったらいいんだけど······」
「そうだな」
偉成が心配そうに俺を見る。
大丈夫だという思いを込めて、ニコッと笑ってみせる。
「少しでも違和感を感じたら言うんだぞ」
「偉成も抑制剤飲んでおいて」
「んっ!」
偉成の口に抑制剤を放り込む。水を出すとゴクッとそれを飲んだ。
「でも文化祭終わって少ししたらすぐにテストあるし大変だね。」
「そうだな······。それならもう今から発情期になった方がいいのかもしれないな」
「えー、それはやだ。文化祭は楽しみたいもん」
朝の準備も終えて、一緒に部屋を出る。
「どちらにせよ、本当に何かあったら言うんだぞ。無理はするなよ。」
「わかったよ」
「教室まで送る。匡に話しておく」
「えー、そんなの匡に迷惑じゃんか。」
「千紘が心配だ。そっちの方が勝つ。」
結局本当に教室まで送って貰うことになって、もう教室にいた匡に話をしてから、自分の教室に向かった偉成。
「お前発情期近いのか」
「そうなんだよね。一応抑制剤は飲んだけど······あの、迷惑かけたらごめんね。」
「別に、気にするな。お互い様だろ。優生に何かあったら俺はお前に頼るよ」
「それは任せて!」
とは言っても、俺は何も出来ないかもしれないけど。
「まあ、何かあれば言えよ。」
「うん、ありがとう。」
胸がソワソワする。
でもまだ大丈夫。文化祭が終わるまでは来ない。
「よし、頑張ろう。」
気合いでなんとか乗り切ってみせるぞ。
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