しばらくは何のイベントもなくゆっくり出来る。偉成がご飯を作る後ろ姿を眺めながら、これから放課後はもっと早めに帰ってきて偉成と過ごす時間を増やしたいと考える。 「千紘、もう出来るから箸とコップとお茶用意しててくれるか？」 「はーい」 時間は夜の7時。お腹がすいてギューッと音が鳴った。 「ははっ、今の音、千紘か？」 「あっ、聞こえちゃった······？お腹すいて······」 「直ぐに用意するからな。もう少しの我慢だ」 「うん」 お箸にコップにお茶を用意して待つ。少しするとサラダと唐揚げにお茶とお味噌汁が並べられて、涎がジュルっと出そうになった。 「はい、いただきます。」 「いただきます！」 すごくお腹がすいてたんだ。パクパクと食べていくと「ゆっくり食べたらどうだ？」と偉成に笑われる。 「うん、でも、美味しくてさぁ！お腹すいてたし！」 「そうか。」 愛しいものを見るような優しい目。偉成にそんなふうにずっとみられると照れちゃう。 「そんなに見ないで、恥ずかしいから。」 「何でだ？いいじゃないか。愛しいからずっと見ていたい。」 「だから、恥ずかしいんだって······。その台詞も」 「心から思ってることだが」 「もう······」 何言ってもやめてくれないんだろうと思って、俺が諦める。 「明日行けば明後日は休みだな。どこかに出かけるか？」 「いいの！？」 「いいよ。ずっと寮にいてもつまらないしな」 明後日は土曜日。新しい楽しみができた。 じゃあ明日は学校が終わって生徒会から早く帰ってきたら、まずは宿題を終わらせよう。 後で困らないように早く頑張ることにしよう！