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第253話

次の日は頑張って授業を受け、放課後は生徒会で時間を潰しの宿題をして帰った。帰宅してからもさっさと残っていた宿題を終わらせ、ご飯を食べてお風呂に入り眠る。 そしてやってきた土曜日は最高だった。 空は見事に晴れていて、気温もちょうどいい。 「千紘、そろそろ行くぞ。」 「うん!」 午前中から偉成と一緒に寮を出る。 「お昼はどこかで食べような。」 「そうだね」 「街に行こう。千紘の好きな物買ってやるぞ」 「要らないから。偉成と手を繋いで歩けるだけで幸せ。」 偉成の腕にしがみついてそう言うと、顔を赤くして俺を見る偉成が優しく頭を撫でてくれた。 「そんな可愛いことを言うなんて······。千紘は罪深いな。」 「言っておくけど普段の偉成も俺に甘すぎて犯罪級だよ。」 「えっ、そうなのか······。でも好きな人は甘やかしたいだろ?」 「······確かに」 偉成が疲れていたら癒してあげたいって思うのも、そういうことなのかもしれない。 「そういえば小鹿は未だに首輪を着けてるのか?」 「優生君?うん、してるよ。」 「そうか。思ったんだけどな、首輪をつけてる千紘はやっぱり可愛いんだ。」 「······は?」 唐突すぎて間抜けな声が出た。でもそれくらい変なことを言った偉成。 「だから俺は千紘に首輪を送りたい」 「でもさ、アルファにとって番がいつまでも首輪をしていたら屈辱的じゃない?そんなに番になったことが嫌なのかって思ったりさ」 「まあ、オメガ側が何も言わずずっと首輪をしていたらそう思うかもしれないが······、俺は千紘が首輪をするっていうのが興奮する。」 「下らない」 手を離すと偉成が悲しそうな顔をした。 「下らなくない。千紘が首輪をしてると妖しい感じがしてドキドキする。」 「······やだよ。······たまにするならいいけど」 「ああ!たまにでいい!そっちの方が俺も燃える!」 「やだ、なんか怖い。」 偉成の考えていることが最近おかしい。それでも好きだからか受け入れてしまう自分が少し憎い。

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