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第267話 旭陽side

ご飯を食べた後、高良が俺を寮まで送ってくれた。普通にバイバイして寮に入る。 俺はオメガの寮の寮長。ここの建物の中では1番しっかりしなあかんのに、今日はちょっと遅くまで外に出てたから悪いことした気分になる。 「寮長!」 「ん、何?」 部屋に入ろうと思ってたら話しかけられてドアノブから手を離す。 「2年生で1人発情期が出ました。」 「ちゃんと抑制剤飲ませた?部屋の鍵は閉めてる?」 「はい」 なら大丈夫やろ。1人発情した事を頭に入れて部屋に入る。 すぐに風呂場に行ってシャワーを浴びた。温かいお湯を浴びながら、今日あったことを思い出す。 「······抱き締められた。」 思い出したら胸がドキドキしだして、体が熱くなった。 あ、やばいどうしよう。俺完全に高良の事意識してる。 「······けど、格好ええもんな。」 多分、めちゃくちゃモテるんやろうな。俺とは違って恋愛の経験がすごいありそう。 次の発情期で抑制剤飲むなって言われたけど、それって完全に俺を抱くつもりやろうし······。考えたら今から緊張しだした。 「あ······ど、どうしよ······」 あんなことすんのかな、こんなことすんのかなって考えてたらペニスが硬くなってきた。 「あかんあかん!」 体に水をかけて落ち着かせる。 正直、発情期が来るのが怖い。 いつもは抑制剤飲んで自慰して何とか我慢してた。 それが、次は抑制剤も飲めんとあいつに抱かれてまう。 「······でも、ほんまいい就職先よな。」 俺もわがままばっか言わんとあいつの好きなようにさせてやらんと。 愛想つかされたら終わり。 「さむっ」 水をお湯に戻して、体を温めた。

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