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第327話 旭陽side

もう何日もこんな生活をしてる。 悠介も、そろそろ飽き飽きする頃やろう。 「旭陽、お風呂入りな」 「······悠介も」 「ん?一緒に入るの?」 傍に来た悠介の腰に腕を回して抱き着く。 俺の頭を撫でて「どうしたの?」と優しく聞いてくるから、胸を犯す切なさが増えていく。 「ごめんね」 「何で謝るの。よし!じゃあ一緒にお風呂入ろうか!」 悠介に抱っこされて風呂場に連れて行かれる。 「服脱いで」 「······あんま見やんとってね」 「わかったよ」 悠介も俺の隣で服を脱ぐ。 洗濯カゴの中に服を放りこんで、一緒に風呂場に足を進める。 「先に髪と体洗っちゃおうね」 「うん」 悠介が俺の髪を濡らす。 あ、もしかして洗ってくれるん。 そう思ってるとシャンプーが垂らされて、ワシャワシャとマッサージをしながら洗ってくれた。 「気持ちいい」 「よかった」 泡を流して、今度は体を洗われる。 こんな、何もかもお世話されて、ちょっと恥ずかしい。 「はい、お風呂浸かっててね」 「嫌、俺も悠介の洗う」 「えー?俺はいいよ」 そう言う悠介を椅子に座らせて、髪にお湯をかける。 「温かいね」 「うん」 「旭陽の手、優しくて気持ちいい。」 「よかった」 泡を流して、今度は体を洗う。 「んっ」 「え?」 内腿辺りに手を滑らせると悠介がピクっと動いた。 「ここ、感じんの?」 「······感じないよ」 「嘘やぁ」 意地悪したくてもう1回そこを撫でると、悠介の手が俺の手を抑えてきた。 「ダメだよ」 「ふふっ、悠介の弱いところみっけ」 「こら!ダメだってば」 悠介に怒られて、楽しくて顔を上げるとキスされた。 「俺もいたずらしちゃうよ。いいの?」 「あかん」 「ならそこら辺で落ち着こうね」 こくこくと頷いて、泡を流す。 それから一緒にお湯に浸かった。 俺の後ろに座って、背もたれになった悠介に遠慮なくもたれる。お腹に手が回される。

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