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第329話
「旭陽?何でそんな顔するの」
「······どういう事。そんなに不細工?」
「違うよ。旭陽は可愛くて仕方ない」
両手で顔を包まれる。
ちゅ、とキスされたかと思うと、抱っこされてベッドに連れていかれた。
そっとおろされて、押し倒される。
「本当はね、俺も我慢してる。」
「······しやんでいいよ」
「でもね、旭陽が辛そうだから、まだ最後まではしない。」
「え······最後まで······?」
ていうことは、そこまではするって事であってる?
せっかく着た服を脱がされて、体中に唇を落とされる。
「で、でも、最後までしやんのやったら、悠介が辛いやんっ!」
「言ったでしょ?こうやって触れてるだけで幸せなんだよ、俺は。」
俺の体を優しく撫でる手が、俺にとっては逆にもどかしい。
気持ちいいけど、足りひん。
「なあ、もう1回······ちゃんとやりたい。」
「ん?何を?」
「怖くなったら、無理やって思ったら直ぐに言うから、お願い。」
抱いて欲しいって言うのは、言葉にしなくても伝わったようで、悠介は苦笑しながらも小さく頷いた。
「わかった。約束だよ?」
「うん。約束」
悠介の頬に手を添えてキスをする。
それが合図になって、悠介の服を脱がせていってお互い裸になった。
悠介の体は俺とは全く違う。
アルファやからか、筋肉質でがっしりしてるし、凄い男らしくて羨ましい。
割れてる腹筋を撫でると擽ったいみたいで、ぴくっと身体を震わせて俺の手を掴む。
「ダメだよ」
「触りたい」
「······可愛いね」
手が離れた代わりに、悠介の顔が首元に移動して、そこを甘く噛まれる。
「んっ」
小さく盛れた声を拾った悠介は、俺の体にいくつもの痕を残していく。
それはキスマークやったり、歯形やったり。
「噛みすぎ」
「旭陽の事食べたいなぁって」
「俺もお返し」
悠介の肩にカプっと噛み付いてみる。
薄く歯形がついて、それがちょっと面白かった。
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