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第338話 R18
顔を上げた悠介は満足そうに笑ってる。
ムカついてその顔を引っ叩きたくなったけど、我慢した。
「帰るっ!」
「まだ終わってないよ」
机から降りようとしたら、立ち上がった悠介に抱きしめられて無理やった。
「旭陽、このままトラウマ克服しようか」
「はぁっ!?」
何言ってんのかわからんくて、イライラしながら悠介を睨むと、やっぱり悠介は穏やかな表情のまま、俺を見てる。
「ネクタイ、怖いでしょ?」
「っ······」
「俺が記憶を塗り替えてあげる。」
悠介がそう言ってポケットからネクタイを取り出した。俺の前では着けへんかったそれ。
「っ、い、いやっ、やめて、いくら悠介でも怒るで!」
「卒業式にネクタイ締められないの格好悪いでしょ。」
俺の両手を簡単に片手で纏めた悠介が、手首にネクタイを巻いていく。
「いや······嫌や、怖いっ······悠介、やめて······っ」
「大丈夫、触るのは俺だけだよ。」
ネクタイで拘束された手。
呼吸が荒くなって、胸が苦しい。
悠介に誘導されて机から降りる。すると下に履いていたもの全てを取られて、椅子に座った悠介の膝の上に、向かい合わせに座らされた。
「っ、痛いこと、しやんとって······」
「しないよ。大丈夫」
ちゅ、とキスされる。
腕を悠介の首に回すように言われて、その通りに従った。
指を舐めるように言われて、目の前に出されたそれに舌を這わせた。
誰がここに来るかもわからない恐怖と、チラチラと視界に映る手を拘束するネクタイへの恐怖に、微かに体が震える。
「もういいよ」
指が抜けて、それが後孔に持っていかれる。
悠介にぎゅっと抱きついて、指が中に入る感覚に息を深く吐いた。
「昨日もしたから、まだちょっと解れてるね」
「んっぁ、はぁ······!」
声が漏れちゃう。
どうしよう、恥ずかしい。
もし誰かに聞かれでもしたら······
「ゆ、すけ······」
「何?」
「もう、早く挿れて······」
早く終わらせて、寮に帰りたい。
「だめ。痛いことしないって言ったから、ちゃんと準備しないと。」
「あっ······!で、でも、ほら、ゴムないしっ!部屋でやった方がゆっくりできるんとちゃうっ!?」
「ゴムなら持ち歩いてるから大丈夫。いつでも旭陽のこと抱けるようにね」
そんな馬鹿みたいなことしやんといてほしい。俺別に、そこらかしらで抱いて欲しいなんか思わんから。
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