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第366話

授業が終わり生徒会は誉に任せて寮に帰る。 ドアを開けると甘い匂いが僅かに香ってきた。千紘の様子を見るために寝室を覗く。ぐっすりと眠っている様子を見て安心して、千紘の夕食を作ろうと手を洗い服を着替え、キッチンに立った。 病気という訳では無いが、体はきっと辛いだろうし、胃は食べ物をそんなに受けつけないだろうから、卵がゆを作って寝室に持っていった。 「千紘」 俺の枕に顔を埋めて眠る千紘を起こす。千紘の上体を起こさせてそのまま、千紘を抱えるように後ろに座り、俺に凭れかからせる。 「ご飯食べような」 「······偉成ぇ」 「ん?どうした」 お粥をれんげで掬い、千紘の口に運ぶ。口を開けた千紘はパクッとそれを食べて、咀嚼し飲み込んだ。 「偉成の匂い、落ち着く······」 「そうか。なら今日も千紘を抱きしめて寝よう。」 「うん。」 もう一度、千紘の口にお粥を運ぶ。 結局用意していたお粥を全て食べた千紘は、そのまま風呂に入って、髪を乾かすとすぐに眠ってしまった。 俺も風呂に入り、いつもよりずっと早く上がって髪を乾かし、千紘の隣に寝転ぶ。 言っていた通り、その俺よりも小さな体を抱き締めると、眠りながらも俺に擦り寄ってくる千紘が可愛らしい。 眠る千紘の額にキスを落とし、目を閉じる。 明日か明後日かには発情期が始まるだろう。今月はまだ何も行事がなくてよかった。 明日は早めに起きて、今日できなかった学校の課題を終わらせよう。 そうしたら朝食と弁当を作って、千紘を起こす。一応のために明日は千紘を休ませた方がいいだろうから、その事を千紘に伝えて······そうだ、また昼には帰ってこないと。 そうして色々と考えている間に、深い眠りに落ちた。

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