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第370話 千紘side

「暑い······」 偉成が学校に行って、1回寮に戻ってきて俺のご飯を作ってくれた。 昼からもベッドでゴロゴロして過ごしていた俺は、布団に包まり暑さに唸っている。 布団から出てキッチンに行き、飲み物を飲もうとしたけれど、俺が今飲みたいものがそこにはない。仕方がない。寮内にある自販機で何か飲み物を買おう。そう思って財布を手に持ち廊下に出た。 体が酷くだるい。 もう、何で発情期こないかなぁ。何を渋ってるんだ。今日来なかったら明日、偉成に抱いてもらって誘発する形で来てくれればいいんだけど。 自販機の置いてある場所について、お金を入れてボタンを押した。飲みたかったのはスッキリする炭酸飲料。それを手に抱えて帰っていると、急にズンッと体が重たくなって廊下に倒れ込んだ。それとほぼ同時に後孔が濡れだして、発情期が来たことを知らせる。 「今ぁっ?」 思わず呟いた俺は、どうにか部屋に帰らないと······と、足に力を入れた。立ち上がろうとすると運悪く寮に帰ってきたアルファ達が俺を見て周りを囲む。 「会長の番だ。」 「なあこれ、発情期じゃねえか?」 しゃがみ込んだアルファ達は、俺を仰向けにして乳首を強く抓る。それだけで体は大きく震えて射精した。 まるで新しい玩具を与えられた子供のように、目をキラキラさせるアルファ達が、俺の服を脱がしにかかるけれど、それを止められるほど抵抗する力が出ない。 「や、めて······」 「大丈夫大丈夫、楽にしてやるからな」 「やだぁ······っ!」 そう言って泣いていると、突然アルファ達がそれぞれ呻き声を上げて俺から離れていった。というより、飛ばされた······? 「松舞、何してるんだお前は。」 「んぁ······たかなし、先輩······」 「発情期中に出歩くなんて、襲ってくれって言ってるのと一緒だぞ。馬鹿が」 そう言いながら俺を抱き上げて、偉成と俺の部屋まで運んでくれる。 「すぐに偉成を呼ぶから、大人しく此処で待ってろ。次外に出て襲われても、俺は助けないからな。」 「あぅ······ごめ、なさい······」 冷たくバタンとドアが閉まる。 ゆっくり立ち上がって寝室に向かったけれど、どうしよう、何かが足りない。 フラフラと足がクローゼットを向いて、偉成の匂いがするものを集めた。でも、これでも足りない。洗面所に行って洗濯物カゴの中を漁り、偉成の下着や、着ていた服を取ってクローゼットに持っていった。 暑くて服を脱いで、代わりにカゴから取ってきた偉成の下着を履く。 「ふ······ふぁ、ぁ、偉成ぇ······」 早く帰ってきてくれないと、まだ足りないんだ。

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