372 / 876
第372話 R18
グチグチと音を立てながら入ってくるそれに、背中が反れて快感で意識を飛ばしそうになる。
「んっ······ぁ、あぁ······っ」
「千紘······っ」
奥まで入ると体から力が抜けた。
偉成の匂いをもっと嗅ぎたくて、床に敷いてある服を掴んで鼻に当てる。
「千紘、俺が居るのにそれを嗅ぐな」
「あ、ひぁ······っ、あ、やだぁ、取らないで······っ」
「俺が居るだろ」
服を取られた代わりに偉成に抱き締められる。服よりもずっと濃い偉成の匂い。安心できる、1番大好きな香り。
「あぁ······っ!」
「んっ······千紘、イッたのか?」
胸いっぱいに偉成の匂いを嗅いだだけで心が満たされて、気がつけば甘く達していた。ぴくぴくと体が震えて、背中を偉成が撫でる。
「っあ!」
そのまま上体を起こされて、偉成の膝の上に座った。そのせいでペニスがさっきより奥まで入ってきたように感じる。
「あっ、あぁ!ぁ、や、待ってぇ······!」
「待てない。ごめん」
下から突き上げるような動き。偉成に抱きついて、されるがままになる。
頭の中が真っ白になって、後孔をきつく締め付けた。
「またイッたな」
「っ、は、はぁっ······!」
上手く呼吸が出来なくなる。それに気付いた偉成がキスをしてきて、だんだんと呼吸が落ち着いていく。
「ゆっくりな」
「······んっ、偉成も······」
もう一度キスをして、偉成の肩に頬をつける。
「こども······欲しい······」
「まだもう少し我慢しような」
優しい声。耳元で囁くように言われて、涙が散った。
「は、ぁ······あ、偉成、動いて······」
自分からゆらゆらと腰を動かすと、偉成がクスッと笑って律動を始める。
偉成から与えられる快感に翻弄されながら、何度も愛を囁いた。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!