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第374話

その日、悠介は家に泊まることになった。 決して広くないシングルのベッド。お婆ちゃんが布団を出してくれるって言うたけど、悠介はそれを断って俺と同じこのベッドで眠るらしい。 「ちょっと、抱きつかんとって」 「無理だね。隙間があったら埋めてやる」 「あっ、もう!お尻触るな!」 「当たったんですぅ」 悠介に背中を向けてたら、ぴったりと背中にくっついてくる。包まれてるようで安心感がすごくある。深く、ぐっすり眠れそう。 「······っ!おいっ!」 「ちょっとだけ」 やのに、悠介の手が服の中に入ってきて、肌を撫でる。ちょうどお腹あたりでこしょばい。その手を押さえて服から手を出させる。 「こしょばいからやめて」 「えー、やだ触りたい」 「お前っ!下で寝かせるぞ!んぐっ!」 「シー!うるさいよ。大きな声出さない」 口を手で覆われた。仕方なく黙ると手が離れて、そのまま優しく抱きしめられる。 「もう何もしないから、ゆっくり眠って。」 「······俺は最初からそのつもりやし」 「うん、ごめんね。おやすみ」 温かい。 それを感じたまま目を閉じる。 「おやすみ」 返事をして、深い眠りに落ちた。 *** 朝起きると隣にはもう悠介はおらんかった。 起き上がって、顔を洗いに洗面所に行き、リビングに向かう。 「お婆ちゃん、お腹空いたぁ」 「旭陽!おはよう」 「え······」 のそのそとリビングに行くと、ご飯をテーブルに並べてる悠介がいた。 「旭陽おはよう。今日は悠介君が朝ご飯作ってくれたのよ。美味しそうね」 「あ······うん。」 「お爺ちゃん起こしてくるから、旭陽は悠介君を手伝ってあげて」 「わかった」 結構前から思ってたことやけど、悠介って俺の家に馴染みすぎてる。 料理もまだ会長に教わってるんか、すごく美味しそう。 「悠介、手伝う」 「いいよ。もう終わった!それよりどう?美味しそうでしょ?この間会長に教わったんだ」 「うん、美味しそう。」 お腹がぐぅって鳴って、席に座るとお爺ちゃんとお婆ちゃんがやって来て、向かいの席に腰を下ろした。

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