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第379話

偉成が髪と体を洗ってくれて、俺は先に湯船に浸かる。 温かくて気持ちいい。寝そうになって浴槽の縁に顎を置き目を閉じる。 「千紘、寝るな」 「······眠すぎ」 「ダメだ。運ぶの大変なんだぞ」 「んー······」 目を開けると偉成が目の前にいて、ちゅっと唇が合わさる。 「起きて」 「うん」 「俺も浸かる」 「どうぞ」 場所を開けると偉成が浴槽に浸かり、俺を抱き締めた。偉成にもたれ掛かると優しく腰を撫でられる。 「痛くない?」 「うん。大丈夫だよ」 「巣作りをしたのは初めてだったな。本当に可愛かった。千紘が卒業してから初めての発情期もしてくれたらそこで子作りしないとな。」 「······恥ずかしくないの?」 「微塵も」 笑う偉成に俺が恥ずかしくなっちゃう。体が温まり、偉成に支えられながらお風呂から上がる。体を拭いて服を着て、リビングのソファーまで移動した。 「何か食べようか。もう昼だ。」 「本当だね。お腹すいた。」 「何でも食べれそうか?」 「うん。」 発情期は病気じゃない。 それでも優しくしてくれる偉成。ついつい俺も甘えちゃうけど、やっぱり甘えっぱなしっていうのは良くないから、何かお返ししたいと思う。 「ありがとう」 「ん?ああ。ちゃんと休んでろよ」 今度の休みに、偉成の好きな料理を沢山作って、家の事も俺が全部こなす、『偉成を喜ばせよう作戦』を、心の中で1人計画していた。

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