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第389話

生徒会員は俺以外、全員がアルファだ。 アルファは元々1番力のある階級で、オメガは1番下。だから、アルファである人達にオメガを理解しろって言うのは難しいことかもしれない。 俺と番の偉成だって、オメガの事について全てを理解しているわけじゃない。もしかしたらアルファの圧倒的な力で、無理矢理にでも捩じ伏せたくなるような時だってあるかもしれない。 元はそういう生き物なんだ。そんなことは俺だってわかってる。 けれど、それでもせめて番のいるアルファには、少しくらいオメガの事を理解しようとして欲しい。それは番を想う気持ちにだってなるんだから。 偉成と出会った頃、偉成はアルファの圧力で俺を物として扱う様な、そんな時があった。それでも段々とオメガのことを知ろうとしてくれた。偉成の気持ちはゆっくりと動いて、今じゃオメガにとっての”いいこと”も考えてくれる。 高良先輩にも少しでいいから分かってもらいたいんだ。だって、オメガにとってのいいことは、旭陽先輩にとってのいいことに繋がるかもしれない。 1時間ほど経って、偉成が戻ってきた。 何かを決意したような表情で。 「千紘」 「うん、何?」 テーブルを挟んで、向かい合いながら椅子に座る。考えが纏まったからか、すごく落ち着いている。 「体育祭のオメガの事に関して、高良や東條、高梨には俺から説得する。これはアルファである俺がやるべき事だ。そして番のいる高良がもっと積極的に考えないといけないことだと思った。」 「······うん」 「俺は千紘と出会ってから暫く、アルファだからといってオメガである千紘に酷いことを言ったり、行動をしたりして傷つけたと思う。それはきっとアルファの本能だ。でもそれがいけない事だと分かっているから、高良には同じようなことをしてほしくない。」 頷くと、偉成が小さくほっと息を吐いた。偉成の考えが俺と相違ないことが分かって安心したみたい。 「いけない事だと分かっていたのに、さっきは力任せに押し付けて、自分の思い通りにならないからといって千紘を責めようとした。悪かった。」 「それはもういいってば。もともとアルファとオメガはそういうものなんだよ。番の関係でも、たまに間違えるくらいはあるよ。」 それに俺達はまだ高校生で、起こる出来事は初めてのことが多くて、間違えて当たり前なんだ。

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